2015年10月16日金曜日

初めまして【第1回】

ご挨拶


 こんにちは 川端和女です。ブログの閲覧ありがとうございます。
 大阪市都島区都島北通でお産のできる診療所を開設して16年たちました。その間、約7000人の赤ちゃんをとりあげることができました。今回、お産をやめて新たに同じ都島区善源寺町で、婦人科クリニックを始めることになりました。新たなクリニック開設となりますので、また1年生からのスタートです。これを機会にブログを始めようと思います。どちらも私にとっては新しい試みとなります。どうぞよろしくお願いいたします。

FIGOに行ってきました。               


 2015年の10/4から10/9まで、カナダのバンクーバーで、第21回の世界産婦人科学会に参加しました。今回のFIGOでは、世界中の女性の健康を考える視点を中心とした学会となっていて、アフリカや中近東、インド、東南アジアからも多くの産婦人科医が参加しておられました。世界中の女性が直面している妊娠出産のリスクは単に産婦人科の問題だけでなく、その国がおかれている政治経済、宗教、風習、教育事情など様々な問題とも密接な関連があるため、リスク回避は並大抵でないことを改めて認識しました。

 産婦人科医だけでなく、WHOや国境なき医師団、WCG(woman care global)など様々な団体が出席し、熱い討論を重ねていました。残念ながら勉強不足で英語が聞き取れず、悲しい思いもしました。ポスターセッションで、アメリカ合衆国で助産師さんを特別に教育し、ルワンダ難民の現地トレーナー育成に尽力されていたマウントサイナイ病院のドクター、折角走ってきて私に話しかけてくださったのに、稚拙な英語でまともにお話しできず、すみませんでした。次回FIGOでは、英語をがんばって、コミュニケーションできるよう頑張ります。


 そんな中でも、母体死亡は、人口10万人に対して、先進国では概ね約16人といわれ、一方発展途上国では260人、そのうち特にサハラ以南と南アジアでは40人に1人という数であること、また分娩時の外傷で傷を負ったまま苦しんでいる若い女性が、アジアとアフリカで2百万人以上いることを今回知りました。そしてその事実に直面しながら、現況の改善に尽力している熱い各国の産婦人科医師達に心を動かされました。今までは私も何か役立つことがあればと何気なく思っていましたが、これからは根性いれて、どんなことで役立っていけるか模索しようと強く思いました。

 ところで、全く違う笑える話なのですが、産婦人科を長年やっていて、トイレをさっさとすませることができるようになった私ですが、FIGO行ってびっくり、女医さんのトイレがとっても早いことです。日本では向かうところ敵なしのこの私がめちゃめちゃあせりました。みんな、がんばって働いてはるんですね。

母子の結びつき


 一方、先進国と思われている我が国ですが、それでも未受診妊婦の問題や折角生まれた赤ちゃんを虐待してしまうような事実が多々報告されています。大阪府立母子医療センターの光田信明先生の未受診妊婦の報告を見ていると、やはり貧困や教育の問題を含んでおり、そのことは世界の現状と一致しているのだと思いました。豊かだと思われている国の中で、取り残されることによる悲惨な母子の現実は周りが豊かであればあるほど、さらに絶望感に苛まれることとなるでしょう。私のつたない経験でも、そのような貧困の現状で心が壊れてしまっている方も見てきました。我が国で今様々な母子のケア、特に心のケアの重要性にスポットライトがあてられています。すべての日本のママとベビーに祝福がありますように。

最後に


以上初めてのブログです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

川端和女