1風疹 麻疹 水痘
最近、ホットな話題で、はしか(麻疹)が取り上げられています。関西国際空港職員の感染から端を発したため、近畿地方で患者さんの報告が多いですが、関東などでも、報告があり、今後の動向が懸念されています。 少し前は、風疹の大流行があったりして、心配続きです。喉元過ぎれば熱さ忘れるではないですが、流行が過ぎると、マスコミも騒がなくなり、みんな気にしなくなるのですが、これからママになろうとしている皆さんは、注意しなければならないことがあります。
予防接種で防げるウイルス疾患の代表的なものは、はしか(麻疹)、風疹、水痘(みずぼうそう)が代表的です。これらは、すべて生ワクチンですので、妊娠中は接種できませんが、授乳中はOKなので、抗体のない方は接種しましょう。この3つの疾患は、ただし、終生免疫がつきやすく、免疫をすでに持っていることが多いのも事実です。
風疹に関しては、妊娠初期検査に組み込まれており、抗体を持っているかどうかがわかります。その時点でワクチン接種はできませんが、出産後は授乳中も接種できます。次の妊娠に備えて接種をお勧めします。風疹は、妊娠20週までに罹患すると高頻度に先天性風疹症候群を起こし、胎児に先天性心疾患や難聴、白内障を引き起こすことが知られています。ワクチンは麻疹と風疹の混合ワクチンがあるので、その接種が勧められます。
一方麻疹は、妊娠中に罹患すると高率に流産や早産を起こすといわれています。私の印象では、幼少のころの予防接種のおかげで、麻疹のほうが抗体を持っておられる方が多いような気がしますが、罹患すると症状も重く、抗体があるかどうかを調べて、持っていない場合は、接種したほうが良いでしょう。ただし、現状は、最近の麻疹流行の報告があり、ワクチンの入手が困難になっているところです。とりあえずは、抗体かがあるかどうかを調べることが良いでしょう。抗体を持っていれば、心配いりません。
また、水痘も、妊娠初期から中期では、頻度はひくいものの先天性水痘症候群で眼球異常や四肢の異常が報告されており、また分娩直近(母に抗体が作られる以前なので分娩5日前から分娩後2日)に罹患すると、あかちゃんが重症の水痘に罹患し、死亡率が高まるとされています。罹患した場合は抗ウイルス剤投与や、また水痘患者と接触した場合は、ガンマグロブリン投与で予防や症状軽減が期待されていますが、転ばぬ先の杖で、抗体のない人はワクチン接種が推奨されますが、一方水痘は抗体を持っている人も多く、ある程度の治療方針も定まっているといえます。いずれにせよ、流行が起こったら、パニックになる前に、とりあえず、抗体を調べて、予防接種を済ませておくことが、これからママになる人には必要です。また、赤ちゃんの予防接種、最近はとても増えていますが、忘れず、受けさせてあげてください。